PerfumeとBABYMETAL

まえにPerfumeとBABYMETALとの共通点と決定的な違いについて書いてみたが、そこで書ききれなかったものに、音楽を久しぶりに熱心に聞いたとか、久しぶりにCDを予約して買ったとか、CD買うのも何年振りかという状態だった人に再び音楽が好きでよく聴いていた昔の時代に帰らせてくれたということがある。これはPerfumeとBABYMETALとも共通にあることで、どちらともおっさんファンが多いのだが、眠っていた音楽の対する興味を揺さぶり起こしてくれたというのは素晴らしいことなんじゃないだろうか。

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誰でも10代20代の頃は音楽が好きでいつもヘッドフォンで聴いていたりしていると思うし、友達と話す内容も音楽のことが多かったと思う。そして30代くらいになると仕事が忙しくなり、家庭を持ったなら家庭のことも考えなくちゃいけなくなったり、小遣いを音楽に投資できなくなったりして、だんだんと音楽から離れていく。
そういう人たちを再び音楽に引きずり込むのは容易なことではない。とにかく魅力的でなくてはいけない。それをやってのけたグループはそれほど多くないだろう。昔、ソウル系の音楽のリバイバルがあったが、それは単に昔の曲がまた流行っただけだったと思う。PerfumeとBABYMETALについてはリバイバルというより今流行のリノベーションのようなものだろう。

Perfumeが出てきたとき、アイドルの風貌でマニアックな音楽を表現する、そしてアイドルでは行けなかったところ、サマーソニック、ロッキンジャパンなどに切り込んでいく姿を見て、ロックを感じていた人は多い。この場合のロックは気持ちのロックという意味で魂の意味だ。
曲にもそういう曲があって、edgeという曲はかなりロック色が強い。歌詞も「自分の一番尖った部分をぶつけてsee new world(死ぬわという音)など、ヤバいくらいロックで、この曲で昔ロックを聴いていた人たちも確信をもってPerfumeファンを名乗り出したと思っている。当時、この曲のロックなリミックスはかなり出回ったように記憶しているし、それでさらに注目されたりもした。
その後にedgeのようなロック色の強い曲を望む声が多かったように思うが、結局かわいらしい、女の子らしい曲ばかりリリースされ、そのようなロック色を望むファンの願望は満たされることはなかったように記憶している。

その宙に浮いたような格好になったファンを吸収したのがBABYMETALなんじゃないだろうか。PerfumeとBABYMETALは共通点が多いのでファンにはなりやすいし、アイドルっぽいもののファンを公言することのハードルについてはもうPerfumeで突破している。ここは意外と大事なことだ。音はもうロックに違いない。
そしてその姿勢、魂、行動についてだが、海外のアウェイの地に切り込み、小さな会場でも大きなフェスでも堂々と自分たちのステージをこなしていく姿を見て「これがロックだ」と感じずにはいられないような状況がずっと続いている。それも音楽の中心地での話だ。興奮せずにはいられない。

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おっさん音楽ファンというのはデジタルな音楽よりもアナログな音楽を聴いてきた人たちなのでどちらかというとBABYMETALの音楽のほうが親しみやすいのではないだろうか。
まぁ、事務所のアミューズとしてはうまいこと受け皿ができてよかったということだと思うが(笑)
BABYMETALに流れてファンになったからと言ってPerfumeのファンを辞めたとか興味を失ったとかいう訳ではないだろう。