Perfumeが新譜である「ポリゴンウェイヴ」という曲をリリースしまして、この曲が久しぶりに心の中でザワザワとしているのですが、巷でもそういう人が多く、何か一つの大きな動きになりそうですので、ここに書いてみることにしました。
以下は私が個人的に感じていた、または感じたことで、正解でも不正解でもないただの感想だということを先に言っておきます。
まぁ、個人のブログですので。

デジタルイメージ

ポリゴンウェイヴの衝撃

最近のPerfumeの活動で感じていたことは、曲と彼女たちの大人っぽさ、いい女っぽさとの隔たりだった。
歌詞もそうなんだが彼女たちの「今」と隔たりを感じる。いい女になった彼女たちをうまく表現してほしい、そんな願いを持ちつつメディアに露出する彼女たちを見ていたのだ。
映画のタイアップがあったり、曲作りにそういう縛りがあるのだろうし、自由にならないこともあるだろうけれど。

彼女たちが急激に大人の美しさを醸し出すようになったとこも挙げられるかもしれない。
リーバイス(R)レッドの広告に選ばれ、モデルとしての才能を発揮したり、Perfume Closetで落ち着いた大人の女って感じを見せたり、誰もが憧れる大人の女としてのPerfumeを表現している。
私にはこのギャップがなかなか埋まらないのがもどかしくて、何とかならないのかとずっと思っていた。

そういう時にリリースされたこの「ポリゴンウェイヴ」なのだが、このような見方からすれば、楽曲がPerfumeの変化に追いついたということができると思うしそう感じている。
少し大人になったPerfumeの雰囲気に合ってるし、歌詞もフワっと何も決めつけないような漂うイメージといった感じでお洒落だ。
そう、簡単に言えばお洒落でカッコいい。
この感覚は久しぶりなのだ。たぶんそういう人は多いだろう。
昔のファンも戻ってくるような気がするのだけれど。

曲自体は「昔のPerfumeに戻った」とか「レトロだ」とかいう意見があるが、同じ位置でも階層が違う。
螺旋階段でぐるっと回ってワンフロア—上に行ってしまった感じだ。

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基本変わらず、変化しながら活動を続けていく難しさ

大体、10代から続いているアイドルでしかもグループで、いろいろと変化しながらも、でもいい意味で変わっていないとみんな思える状態で、20代を越え、30代を迎えたというグループは存在しないのでなかろうか。
今のアイドルの元祖ともいえる80年代のアイドルは、2年から3年で大人のイメージで売るか、女優になるか、など何か変化を求められた。というのはアイドルとは消費されるものであり、事務所は次から次へとアイドルを供給していた。ようするにところてんのようにアイドルの枠から押し出されてしまうから、他に活動の場を移すしかなかったように思う。
今でも10年続くグループがあると考えるのはとても難しい。
グループの中にはメンバーチェンジを繰り返しながら新陳代謝をしているものもあるが、それも一つの手段だ。
ただPerfumeのようにずっと同じ3人で、というのは業界としても初めての試みなのではないだろうか。
昔からいろいろなリリースのタイミングなど、無理のないように、アーティストのようなタイミングで活動してきたような印象がある。ここで行け!ってときにも落ち着いて状況を見ているような。私たちはそこでもどかしい思いをするのだけれど。
それが大当たりして今の状況につながっているのだとしたら、頭がはげるまで脱帽したい。いや禿げるのはダメだ。
ジャニーズも活動期間が長いグループばかりになった、など、今の時代の雰囲気もあると思うが、うまくやっているなと思う。
これから行く道は未知の領域だ。

そこでリリースされたこの「ポリゴンウェイヴ」なのだが(また言ってるw)、これは、今までのPerfumeの楽曲や活動から外れていないし、それの土台を踏みしめながら、一つ上へとポンと上がった感じがして実に心地よいのだ。
心地よいというかうれしいという感情もある。
「Perfumeが帰ってきた」などという人もいるし、確かに原点回帰しているような印象も受けるが、上にも書いたように一つ上の世界だ。
この曲は、これからのPerfumeの活動を示唆するものでもあるように思えるし、この曲でその新しい未来に期待を持ってしまった人も多いと思うし、私もその一人だ。

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歌詞と振り付けで伝えるイメージ

今のJ‐POPは、ラップを経験した世代ということもあるのかもしれないのだけれども、とにかく歌詞でいろいろと説明しようとしているような印象を受ける。丁寧すぎる印象だ。
そういうのが流行っているので、それが正解なのだろうが、私は歌詞はキーワードのような感じで、いろいろと頭の中にイメージを残していく役割を持っていると考えている。
だからそれほど語る必要はないのだ。あとは聞き手が頭の中で再構築するものなのでほっとけばいい。
そういう意味においても、この曲はよいバランスで歌詞が配置されているような印象を受ける。
これが古いやり方だというのなら「懐かしい感じ」ということが言えるのかもしれないが。

歌詞を伝えるということにおいてPerfumeの場合は振り付けがあり、これが言葉の代わりを果たすようなイメージもあるので、ちょっとずるい感じもある。
音楽の日という番組で初披露された振り付けなのだが、涙を表現するときなど、表情がツンデレのツンで全く表情を変えず、涙の流れる場所をポンポンと叩く。
これがステレオタイプの「涙」ということではなく、何か別の意味を含むような不思議な伝わり方をする。
夢ということを表現するのに手の甲をもう片方の手で手裏剣のようにシュシュッとはたく。なんでこんな表現なのだろうと思うが、これがなぜかカッコいい。表情はあくまでもツンなのである。
衣装にしてもそうだった。あれはPerfumeでしか成立しない衣装だ。ポリゴンをイメージしたものだろうけど中でカナリアが飼えそうでもある。
インタビューを見ていた時はその衣装に度肝を抜かれた感じだったけれど、いざパフォーマンスになれば、それが映えるというか、なるほどと納得させるものがあるのがすごい。
胸のところが黒塗りになっているのが妙にエロスを感じさせた。開けちゃいけない扉の前に立っている気がして引き返したのだが(笑)
Mステにも出演が決まっているそうで、タモリさんとの絡みが楽しみだ。

古い音楽、新しい音楽

音楽において古いとか懐かしい感じというのがまた曲者で、音が悪く明らかに古いというものはそれでかまわないのだけれど、実際、今から音楽を聴く世代というのは、例えばyoutubeのアーカイブにごった煮になって音楽がある状況で、どれが新しいとかどれが古いとかいうことをいう人は少なくなってくるのではないかと思う。
ただそれは聞く順番が先か後かというだけで、自分にとって新しいか古いかということを表すようになるのだろう。
実際、新しい音楽というものがどういうものかというと明確に答えられる人は少ないと思うし、それもその個人の知識量によることも多い。
新しい音楽といっても突拍子もない音楽だと見向きもされないだろうし。
音楽をあまり聞かない人が「ポリゴンウェイヴ」を聴いて懐かしい感じがするというのはどういうことなのだろうと思うが、チョコレイトディスコも懐かしい感じとか言われていたし、ヤスタカ氏のサウンドは全体的に何かそのような印象を受けることが多いようで、その感じはヤスタカさんの個性なのではないかと思っている。
本人はそれほど意識していないのではないかと。やりたいことを好きなことをやっているだけで。
Capsuleのひかりのディスコは映像からしてレトロ感を狙ったものだろうけど。

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8月のライブの寄せる想い

去年の2月26日だった。あの日の午後、家でライブに行こうと支度をしていて、ふと見たツイッターで中止になったことを知った。
それから世界はどん底の状態を迎えることになるのだが、それはみなさんもご存じのことだろう。
Reflameも全敗だったのだが、今回のライブは当選してしまった。
ぴあのMMアリーナは自分の生活圏であり、建設の噂の時からPerfumeにこけら落としに来てほしかったのだが、そうとはいかず、だけれども今回ライブをやるということなので是非参加したかったのだ。
一万人くらいのライブ専用の箱なんて最高だろう。
音もいいに決まってる。だって専用なんだから。サッカーで言う専スタということだ。
そこでこの曲「ポリゴンウェイヴ」を聴けるなんて、見れるなんて最高だろう?

Perfumeが開く新しい扉の向こうが見えるかもしれない。