ヨーロッパツアーを終えたBABYMETAL
とうとうヨーロッパツアーも終わってしまった。アメリカ東海岸ツアーを終え、ヨーロッパツアー、中にはダウンロードフェスティバルという大きなフェスもありながらのツアーだったが、びっくりするくらいの大成功ぶりで、世界制覇と言っていた言葉がなんだか現実味を帯びて聞こえてくる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか？
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なんていう前口上を言いたくなるほどに順調である。ちょっとした機材トラブルやメンバーの体の具合などが心配されたが何となくやり切ってしまった。勢いがあるってこういうことだ。あとはアメリカ西海岸ツアーと日本の４大フェスをやり切ったら、秋に東京ドーム２daysで今回のツアーは終わりだ。
終わると同時に秋も深まり、ちょっぴりおセンチな秋になりそうである。
SU-METALのボーカリストとしての成長
今回のツアーでいろいろと成長を見せたBABYMETALだが、一番の成長はボーカルのスーちゃんの成長だろうと思う。スーちゃんのすごいところは、オーディエンスに向かって真っすぐに突き進んでいくその歌声や発声の仕方である。発声をこねくり回すボーカリストはたくさんいて、それが個性となっているのも事実なのだが、そういうボーカリストがいる中でスーちゃんの真っ直ぐさというのは際立っていると思う。
また、ラウド系特有のへヴィーな音や２バスのドコドコした音の中にスーちゃんのそのストレートで綺麗な声が美しいメロディーとともに聞こえると、パンドラの箱の底に希望を見つけたような気分にもなるというものだ。
これらはまぁ、以前から言われていたのもであるが、いろいろな動画を見て思ったのは、どんな大きな舞台でも観客を受け止めるだけの度量を身に着けたような感じがしてならない。オーディエンスの真ん前に立ち、かかってこいよ、という言っているような感じさえする。その姿がとても美しいのだ。
実際、ライブ中に切り取られた彼女の表情には、普段見せるような表情のようなものはあまりなく、何かが憑依したようなそんな何か物語でも書けるような表情をしている。
なぜそのような表情ができるのかと言ったら、それはやはり信頼なのだろう。自分のやっている音楽への信頼、自分のやってきたことへの信頼、身近にいるスタッフやメンバーへの信頼、それらがあるからすべてをそのステージのすべての瞬間に躊躇なく投じることができるんだろう。
神バンドのグルーブ感
一方、神バンドと呼ばれるバックバンドに成長はあるのかといわれると、個人のテクニックにはそれほど変わりがないが、バンドとしてのグルーブ感はかなり前面に出てきていると思う。映像を見てもびっくりするくらいの盛り上がり方をしているのがわかる。それは単に観客が騒いでいるということなどではなく、演奏の盛り上がり方がすごいのだ。
昔、スタジオミュージシャンを集めたというふれこみのバンド（確かアメリカの）があって、それを聴いたんだけどほんとにつまらなかったことがあり、テクニックとバンドって全然ベクトルが違うんだな、なんて思っていたが、ことBABYMETALの神バンドにおいてはすべてがいい具合に混ざり合っていて、本人たちの演奏もテクニックを表現できて満足な部分もあるだろうし、それは曲が要求するもので全く不自然じゃないから、すべてがうまくいっていると思う。
もともと個性的な人たちだから、一つにまとまるのは無理だと考えるのが妥当だと思われがちだが、そこにはSU-METALという稀代のボーカリストがいて彼女がいるからまとまって行ったように思われるのだ。
SU-METALの背中と神バンド
私はとあるアマチュアバンドのボーカルギターやバックのギターの経験があるが、やっぱり後ろで楽器を演奏しているものにとってはボーカリストの姿勢というのはかなり精神的に影響するものだと思う。ボーカリストが勢いよく行くとそれにつられてか行きたくなるし、それを支えようとするもんだ。バンドのボーカリストってやっぱり一番大切な存在で、ボーカルがダメなのにバンドがいいとかライブがよかったなんて話はないのだ。
見知らぬ国の大きなフェスで、母国語でない言葉を使いながらステージから観客煽り、観客のすべてを受け止めながら歌を突き刺すように届けていく、そんなボーカリストの背中を見たバンドメンバーはどう思う？もう行くしかないでしょ？ここで行かなきゃ！と思うに違いない。
神バンドはスーちゃんに引っ張られていると思う。これはどちらがすごいとかいう話ではなくて、バンドというシステムでは必ずそういうふうになるという話だ。
神バンドのメンバーはたぶんBABYMETALがキャリアハイになるだろうと思う。本人たちは否定するかもしれないけれど、単独でどこかのバンドのメンバーになり、異国のフェスであれだけの観客の中で演奏できるまでになるのは、どれだけの時間とチャンスを費やせばいいのかわからないくらいだ。
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まとめ
今BABYMETALは休憩中だと思うが、７月の中旬から西海岸ツアーが始まる。
それから国内フェスだが、私はフェスと言ったら年末のCDJしか行ったことはない。夏フェスはまだ行ったことがないのだ。
BABYMETALが私の新しい扉をまた開くことになるのだろうか？
