ギター

タモリ倶楽部の空耳アワーの時間ではないのだが、私は子供の頃、
「go johnny go go」という歌詞を
「大谷 go go」
というふうに歌っていた。
なんとなく英語のネイティブな感じが出ているではありませんか(笑)

あのチャックベリー氏が3月18日にミズーリー州の自宅で亡くなられたそうだ。
90歳という年齢からして大往生というか、天寿を全うしたと言えるのではないか。
80歳を超えてもステージに立ってたというし、確か去年のニュースで来年にはニューアルバムを発売するとか言ってなかったか?ともすれば今年である。もしかしたら、それが追悼盤になるのかもしれない。

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チャックベリーと自分との出会いは

自分がチャックベリーのロックンロールと出会ったのは、確か、日本にもロックンロールのブームがあり、それはバンドブームと重なるんだけど、その時に活躍していたバンドがローリングストーンズやビートルズをよく聴いていたというので、真似をして自分もよく聴いていたら、彼らはチャックベリーの楽曲をコピーして演奏していたので、それで名前を知った、という流れになる。

それから、チャックベリーのアルバムも何枚か聴いたりした。
まぁ、ストーンズを聞いているとどうしてもBLUESやR&Bなどのブラックミュージックの源流にぶち当たるので、当たり前のことなのだ。

当時は独特のスタイル、スリーコードの曲展開、あの有名なイントロ、リフはチャックベリーが元祖だ。自分もよくコピーしたものだ。
ただ、最近ではホントに聴かれなくなった。たぶん日本では斉藤和義さんの「ずっと好きだったんだぜ」という曲が一番新しいのではないのだろうか。

あの曲を初めて聞いたとき、
「おぉ、ロックンロールだ!」
という、感慨深い思いがした。

ヘイル!ヘイル!ロックンロールという作品

追悼の意味を込めてチャックベリーの楽曲を聴いてみたいと思う人がいるかもしれないが、私がお勧めするなら、「HAIL! HAIL! ROCK’N’ROLL」という映画である。
この「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」という作品は60歳を迎えたチャックベリーに、キースリチャーズがちゃんとした記録を残してあげたいと企画制作したもので、キースとその仲間がチャックベリーのライブを企画し、そのリハーサル風景や、もちろん本編のライブの様子など、興味深い音楽作品になっている。

チャックベリーと言えば、この時代のアーティスト同様、多分に漏れず素行が悪かったのだが、その様子がこのフィルムにもおさめられている。
ホント天邪鬼で扱いにくいこのジジィを説得してキースはよくやったと思う。
キースは、誰かがこれをやらなければならないとしたら、それは俺だろう、というようなことを言っている。
それだけリスペクトしているということなのだろう。

まぁ、ライブの途中でチャックが、リハーサルとは違うキーで曲をやろうぜとキースに話しかけると、キースは「NO!」と答えるんだけど、結局バンドはリハーサルのキーで演奏して、チャックだけ違うキーで演奏してしまうような場面もある。
なんかうまくいっているのが気に食わないのかよくわからない。

そのような場面も含めてとても面白いし、普通の音楽作品としても楽しめる内容だ。

これ、キースオフィシャルのツイートなのだが、これを見て目頭が熱くなった。

チャックベリーを知らない人でも知っているだろうという話

「チャックベリーって誰?」

という人は多いと思う。
「ジョニー・B・グッド」という曲を作った人、といっても今はこの曲すらあまり聞こえてこないではないか。

「ほら、内田裕也さんがいつもカバーしている曲だよ」
といってもあまりピンとこないかもしれない。

矢沢栄吉さんがいたCAROLというバンド、これはビートルズやストーンズのロックンロールのエッセンスを取り込んだバンドで、このバンドが好きで、今でもリーゼントをしてツイストを野外で踊っているような人たちなら知っているかもしれない。
CAROLというバンド名自体、チャックベリーの曲名のオマージュって感じだと思うけど。
でも知っていると言ってもそれはロックの源流として知っているわけではなく、50年代アメリカの、オールディーズの曲としてという感じなんじゃないだろうか?
映画「アメリカングラフティ」に流れるような曲だということだ。
それが悪いことではないのだけれど。

チャックベリーをあまり知らない人にとってチャックベリーを少し身近に感じられるエピソードというか、慣れ親しんだ映画のワンシーンに出てくるチャックベリーに関するものがある。
それは初代の「バックトゥーザフューチャー」のラストに近いシーンで主演のマイケル・J・フォックスがダンスパーティーの壇上に上がりギターを披露するところを覚えているだろうか?
その時にチャックベリーの例のリフを弾き、壇上にいたダンスパーティーのバンドメンバーが電話口に急ぎチャックベリーに電話をするんだ。
そして、今マイケルが引いている曲を電話越しに聞かせる。
そして出来上がった曲が。「ジョニー・B・グッド」というわけだ。

このシーンを覚えている人は多いと思うが、バックトゥーザフューチャーを見たことない人がいるかもしれないけどそれはもうしょうがない(笑)
今はテレビの夜9時からの映画の時間で昔の映画をやらなくなってしまったからなぁ。

前出の「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」もテレビで追悼番組としてやってほしいと思う。

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R.I.P Chuck Berry

あの時代、というかチャックベリーがあのスタイルを確立して演奏していた時代に彼と同じような方法で演奏していた人は全くいない。
これは本当にオンリーワンだった。
真っ直ぐなエイトビートではなく黒人系の音楽の少しスウィングしたエイトビートが心地いい。
全盛期のライブ映像は今見てもかなりのものだ。

YOUTUBEにも映像がかなりあるので、いつでも見ようと思ったら見れるというのは改めて思い返すまでもなくすごいことだ。
偉人はネットの記憶の中に永遠に生き続けることができる。
そして、こちらの意思で、あたかも生き返ったようにその姿を見ることができる。

なんだかネットが「生命の泉」みたいに思えてきた。