Bob Dylan

青春時代というか多感な時期に音楽を聴きだすと、特にロックを本格的に聴きだすと、なぜかその源流へと遡って聴いていくような感じになるのは誰もが経験していると思う。とにかく好きなアーティストができたら、そのアーティストがどんな音楽が好きでどんな音楽に影響を受けたということをインタビュー記事で知ったら、俺も俺も!って感じでとりあえず聴いてみるということを繰り返しながら音楽の歴史をさかのぼっていくのだ。本当に楽しいアドベンチャーだといえるだろう。

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そんな中にぜったいに現れてくるのがこのボブ・ディランという人物で、これは避けては通れない道だと思い、バイトしたお金をつぎ込み、ディスコグラフィーを見ながら(レコードコレクターズとかいう雑誌も読みつつ)一枚一枚揃えていった思い出がある。

吉田卓郎さんや泉谷しげるさんくらいの世代がたぶんディランと同世代というかリアルタイムでぶち当たった世代で、かなり影響を受けていたことに後になって気づく。太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」なんて歌謡曲としてかなりヒットしたと思うのだが、この歌詞は松田聖子さんの歌詞を書いていて有名な松本隆さんの作詞なのだが、これがディランの「スペイン皮のブーツ」の歌詞の内容にかなりインスパイアを受けていることにも気づいた。とにかく日本の音楽界にもかなりの影響を与えているのである。
丁度団塊の世代になるのだろうか。学生運動をしながらBob Dylanを聴いていた世代のおじさんたちもうれしいと思う。

今回のノーベル賞受賞はかなり粋な計らいというか、すごくうれしいことだ。
Bob Dylanの詩は昔から取り上げる題材から韻を踏んだりする詩の技法まで本当に素晴らしいと称賛されてきたものだ。それが文学として認められたということになる。本当に素晴らしい。

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Bob Dylanは60年代にデビューしてから現在も来日したりして活動しているのだが、昔からいろんな人とアルバムを作ってきた。レイドバックしたアメリカ南部の音楽を代表するTHE BAND、TOM PETTY、ストーンズのキースとミックテイラー、グラムロックのギタリストとして有名なミックロンソン、グレイトフルデッドとかいろんなミュージシャンとセッションしながらいろんな音楽を吸収して自分を活性化していった人だ。Bob Dylanとアルバムを作ったりした人はそののちにスランプに陥る、なんていうことを言っている人がいたなぁ。

私が何回も見たのはTOM PETTYとのライブで、このライブで演奏されたHeaven’s Doorは絶品だ。私はストーンズファンなのでインフィデルズというアルバムにキースとミックテイラーが参加していてすごくいいギター弾いているのがなんだか頼もしく感じられる。レゲエチューンのジョーカーマンとか最後のギターソロが素晴らしいsweetheart like you 、韻の踏み方が美しいI’ll remember youなどいい曲がいっぱいだ。

久しぶりに聴きたくなった。

嫌なことがあっても吹き飛ばすくらいの力がある歌だと思う。
freedom just around the corner for youなんてディランに言われたら泣いちゃうかもしれないですね。

ほんと自分が好きなものが評価されてとてもうれしい一日になった、という感じだ。

これを機に少し音源も売れてほしいなと思うが。