アイドルと世界進出

ビートたけしさんが、イチローさんが海外のメジャーリーグで活躍し出した頃、こんだけ日本人がメジャーで活躍しているのを目の当たりにすると、おれが小さいころ憧れて見ていた長島さんや王さんていったいなんだったんだろうな、なんて発言していたのを思い出しました。
王さんも長島さんももちろん素晴らしい選手ですし、一世代を築いた偉大な選手であることに変わりはありません。日本人はみんな彼のような選手になりたかったし、その試合をする姿を見て一喜一憂するのが日課でもありました。夏はナイターを見ながらビールを一杯飲みそれに幸せを感じる、そんな時代でした。

<スポンサーリンク>

その頃のメジャーリーグといったらもう雲の上の存在で、決して手の届かない夢物語の中の存在のように思われていて、そこで試合をする選手はとてつもなくすごいんだというイメージがありましたし、日本のプロ野球の選手もメジャーリーグには強い憧れを持っていて、単なる信仰の対象のような感じで、そこには決して踏み入ることはできない壁のようなものを無意識のうちに感じていたような状態でした。

そこにあのトルネード投法で有名な野茂さんや大魔神佐々木選手、イチローさんがメジャーリーグで通用するどころか次々に記録を打ち立てるなどして活躍してしまったし今現在もなおしているんですよね。昔は足を踏み入れることすらおこがましいと思われていたある種の聖域に踏み込んで、自分の居場所をしっかりと作り、その中で自分の存在を技術をアピールしている日本人が、テレビのニュースに堂々と取り上げられているんです。

ですので、最初のビートたけしさんの発言の意味も理解できます。実はこういうことっていろんな場所で、いろんな職種で起きていることなんじゃないでしょうか。

サッカーではJリーグ発足当時はそこで活躍すればもうそれはスターで、ちやほやされていたと思いますし、その時はまさかあのACミランの10番が日本人になるなんて思ってもみなかったことです。レスター岡崎さんのプレミア優勝もそう。まさかあの歓喜の輪に日本人がいるなんて考えられなかったはずです。

そして、日本特有の文化でもあるアイドル文化もそういう道を辿るような気がしています。
それはBABYMETALやPerfumeの活動の仕方を見ているとそういう思いが湧きあがってきます。
山口百恵さん、松田聖子さんらは正統的なアイドルの譜系であり、当時はみんな憧れたんです。同じ髪型が流行したり、物真似したりでその一挙手一投足に注目が集まった感じです。そして彼女たちのようなアイドルになりたいと思ったことのない人はいないと思われるほどの熱狂ぶりでした。

しかし、それは日本国内のことだけで、海外では全くといっていいほど無名でした。
今のアイドル、と言ったら「アーティストだから」と反論が来るかもしれませんので、そういう人には「アイドルのようにかわいい」とでも言っておきましょうか、そのアイドルのBABYMETALは今やアメリカツアーの真っ最中で、すごくいいライブを各都市にて消化している模様なのです。各都市を陥落させていくロールプレイングゲームのようにツアーをしているような感じですね。

よく言われるのが、かつては「海外で有名」というのが一つのブランドで、海外で箔をつけて日本で売るっていうパターンがあったけど、BABYMETALもそれだよ、ということなんですね。でも、毎日のようにツアーバスに乗り込み各都市を転々としながらライブをやっていくなんて、単なる逆輸入指向ならば必要のないことだと思います。アメリカのアーティストがやるような形態でツアーを行っている。もうね、最高にロックですよ、これは。

<スポンサーリンク>

いや、ロックではなくてアイドルだからびっくりなんですけどね。
このような世界を相手に活動していくアイドルを見たアイドル指向の女の子たちは、どう思うかってことなんです。かつての聖子ちゃんに憧れた人たちのように、BABYMETALに憧れた少女はもしかしたら、アイドルになって世界を夢見るのかもしれません。そしたら日本の芸能界ってなんなの?って思いが湧いてくると思います。アイドルにとって日本の芸能界は必要なくなってくるんじゃないでしょうか?

昔のアイドルは芸能界が育てたみたいなことを思っている人もいるかもしれませんが、芸能界を必要としない世界はちょっと厳しいけど変なコネのない実は健全な世界なんじゃないでしょうか。

ちょっと言い過ぎましたが、なくなることはないかもしれませんが、存在が希薄になってきていることは確かだと思います。

そして、アイドルの所属事務所はアミューズが人気になると(笑)