さくら学院

サマーソニックもとうとう終わってしまい、夏フェスの終わりが夏の終わりを告げるような、少し感傷的な気持ちになっている人も多いだろう。
夏フェスと言えば、フジロック、サマソニ、ロッキンの3大フェスが有名だが、動員ではやっぱりロッキンが一番じゃないだろうか。
BABYMETALがなんで今年ロッキンを選ばなかったかというと、日程的なことを除外してだが、やっぱり過去からの積み重ねという歴史的なものがあるからだろう。

「やっとここまで来た」

と流暢な日本語でのMCは、2012年、フードコートの片隅でのサイドステージに初出演してから、今年の一番大きなステージでのメインアクトから二番目、実質日本で一番という出番を獲得するまでのさまざまな歴史的出来事を感じさせ、その当時からのファンにとってはその歴史に文字通り新たな一ページを刻んだはずだ。

それにしても、サマソニ自体がもうあまり元気がないと言われているようだが、なぜなんだろうか?
ちなみに私は参加はできなかったのだが・・・

「さくら学院」という底の見えない深い沼

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BABYMETALと同じ事務所のアイドルグループ(ちょっと違うかな)に「さくら学院」というグループがある。
BABYMETALの3人はこのさくら学院出身であり、発足当時はさくら学院の重音部として活動を始めたようだ。

ベビーメタルのファンになると、なぜかさくら学院のファンになってしまう人が多いと聞く。

なぜなんだろうか?



普通のアイドルオタクのみではなく、普通のヘビーメタルファンとか、ましてや外国のベビーメタルファンまでさくら学院のファンになってしまうようだ。
その「ファンになる」ということを「沼に落ちる」というような表現をする。
沼にハマってしまい、どうにもこうにも抜け出せなくなるような感じになってしまうのだろう。

幸か不幸か私はまだ沼にはハマっていないようだ。
あまり興味はないのだが、最近自分と同じ苗字の人がいることに気付いて、親戚かどうか両親その他に電話して確認をとろうと思ったことがある。しかしあまり深入りすると、ろくなことにならないのは目に見えている。
私も気づいたら、深い沼に首までどっぷりと浸かっていたということになりかねない。

危険だ。危険すぎる。

しかし、なんでそこまでハマっちゃうのだろうか?

ベビーメタルファンからさくら学院のファンへ

ハマるということは、そのさくら学院にとても魅力があるということだ。

実は私は、さくら学院を見たことはある。
アミューズ主催の12月1日に行われるAct Against AidsのチャリティーライブをPerfume目当てに見に行ったときに、ちらっとステージに上がってきて自己紹介などしていたのを見たのだ。
パフォーマンスを見たわけではないのだが、そのころから存在だけは知っていたというわけだ。だが、もっと見たいとかもっと知りたいとか思うようなことは全くなかった。
たぶん5年以上前の出来事だと思う。
それからいろいろ年月を積み重ねてファンを獲得していったのだろう。



ベビーメタルファンがさくら学院のファンになるのは、とあるアーティストのファンが、そのアーティストのルーツミュージックを調べるうちに、そのルーツミュージックを演奏するアーティストを好きになるような感じに似ていて普通のことに思える。
人は好きな対象のことをいろいろ知りたくなるものだ。
これは自然なことだと言ってよいだろうしおかしくはない。

このように、自ら深く研究することによってファンになり、その沼に投身していくスタイルの人もいれば、友達に手を引かれて沼に引きずり込まれてしまうものもいる。沼に落ちた友人からその魅力を説かれ、それを聞いているうちにファンになってしまうのだ。
その魅力を説く行為を「布教活動」などと言ったりするが、説かれて沼に落ちる人はその素養がもともとあった人だと言えるので、早かれ遅かれそのようなことになっていただろう。



とあるグループのファンになるのには、今の時代ならそのグループの動画をいろいろと見ることがその第一歩となる。
動画サイトさえなければ、海外のファンなど簡単には出来はしないだろうと思う。
では、なぜ見ちゃうかな?その動画を、ということである。
そういう動画さえ見なければ沼に落ちることはなかったのだ。
ベビーメタルファンがさくら学院の沼にハマるのは、さくら学院の魅力のほかにベビーメタルの活動様式が関係しているような気がしてならない。

退屈は危険な香り

ベビーメタルのファンサイトやツイッターなどを見ていると「ベビメタロス」とか、単に「ロス」とかいう言葉を結構頻繁に見ることができる。
ベビーメタルは、メンバーにまだ高校生がいることもあってか、継続して活動せず、しっかりと学業に専念するような期間を設けているのだろう、まったく何も情報が出てこない期間がある。
このような期間をファンは寂しく思い、ロスなどと言っているのだ。

他のアーティストやアイドルなどだと、ブログで近況を伝えたり、たわいもない話題、例えば「新しい洋服を買いました」とか「今日は友達とスイーツを食べました」とかいうツイートをしたりして、何となく自分らに興味を引き続けるようなそういう行動をするもんだ。
ところが、ベビーメタルの場合は全く何も情報が無くなる。

この情報に飢えている状態を「飢餓」と呼び、その腹ペコ状態はどんな小さな情報でも喜んでしまうファンを作り出してしまう。
サマソニでも日本語でMCしただけで感動してしまったファンもいた。まぁ、内容もよかったんだけど。
いつもは英語でMCしているからそれだけでもうれしいものなのだ。これも飢餓商法の一つであると思う。
商法といったが、このおなかを空かせた状態が、どんな食べ物でもおいしくさせる、どんなものでもグッズを買ってしまうとか、そのような効果を生み出していることは確かだ。

話はちょっとそれたが、この何もない時期、ファンは何をして新たな情報を待っているかというと、何パーセントかの人はそれほど興味がなくてもさくら学院の動画を見ちゃうのである。
普段なら、ベビーメタルが好きならその動画を漁ってみるものなんだが、あまりにも情報がないと、なぜだか人はさくら学院の動画を見始めるものらしい。
最初はベビーメタルメンバーの過去の映像を探したりしているのだが、その卒業式の映像や、現行のメンバーなどの映像など知らないうちに掘り下げていってしまうのだ。
だから、アイドル好きでもなく、全くそのような感じがしなかった人がさくら学院の沼にハマっていってしまうのである。

この退屈な期間は危険な香りがする。

危険すぎる。

だからベビメタロスの期間が長ければ長いほど、さくら学院のファンが増えていくことだろうと思う。


という仮説を立ててみたのだがいかがだろうか?

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