キツネのお面

BABYMETALは、音楽のジャンルのヘビーメタルに属するのか、そうではないただのアイドルミュージックというかJpopなのかという議論は、日本ではそれほどではないけれど海外のフォーラムではよく議論されているようだ。
というか、一方的にBABYMETALの存在をよく思わない人たち、その存在を嫌う人たち(ヘイター)が、ネット上のコミュニティーにやってきて何らかの暴言を吐いていくという行為はよくあることのようで、私もよくその様子を翻訳サイトなどで目にする。

日本ではそのような音楽的な対立はあまり起こっていないように思うが、それはアイドル文化の多様さが原因で、BABYMETALのような形態でも普通にあり得ることだという幅広い考え方によるものが大きいと思う。

BABYMETALヘイターの主張の主なものは、自分らで音楽を作っていないということと、自発的にこういう音楽をやりたいからという理由で集まった人たちではなく、とあるプロジェクトで集められたグループであり、バックミュージシャンも雇われミュージシャンで、そんな集まりはいわゆる商業音楽で、METALじゃないというわけだ。

確かにその通りなのだが、実は私にもそういうことを言っていたような時期があり、それは確か「ROCKだ、ROCKじゃない」的なことだったと思うが、それも「METALだ、METALじゃない」といった議論と非常に似ているので、そのことを書いてみようと思う。

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あれはROCKだ、これはROCKじゃない、とか

90年代前後だったかな、日本にバンドブームがやってきて、その音楽やバンド自体、その生き方などがクローズアップされて、まさに雨後の竹の子のようにバンドが生まれたと思う。
いろんなバンドが生まれてくる中で、それは今まで社会にあふれていた歌謡曲のようないわゆる「作られた音楽」と対立しながら盛り上がっていった一面も否定できない。
生まれてきたバンドは、ほとんどが自ら作詞作曲をおこない、小規模なライブハウスから活動を始めた人たちが多く、それが「ロックだ」というふうに言われていたし、そのような売れない時代があったというエピソードにみんな共感し、それが人気の一因にもなっていたと思う。

私は福岡の生まれなのだが、高校の頃は博多で活動している地元のバンドの音楽をよく聴いていた。
彼らは大学生、そのたもろもろだったが、地元のラジオに出演したり、イベントに登場したりして、もちろんライブハウスにも出演していたが、自分たちの作った音楽を披露して、それがまたカッコいい曲も多かったため、私はかなりのめり込んだ覚えがある。
そして、彼らのことを「ロックだな~」と思っていたのだ。

バンドが作る音楽と、歌謡曲との対立は歌番組でも見られていた。
バンドがそれなりに売れてくると、今はMステに出演することでなんとなく有名になってきたことを実感できるだろうが、バンドブームの頃は「夜のヒットスタジオ」だったと思う。
今見てみるとちょっと恥ずかしいのだが、出演時にガムを噛んでいたり、生意気な態度をとったりで、歌謡界との対立の様相を表していたと思う。
「俺たちのほうを見てくれよ、俺たちのほうがカッコいいだろ?」
ということなんだろう。
私も彼らのそのような姿を見て、当時は面白いなカッコいいなと思っていた。

なんと恥ずかしい(笑)

吉川晃司の紅白歌合戦でのやらかしはROCKだった?

余談になるが・・・
生意気な態度、とかで思い出したが、紅白歌合戦の季節でもあるので書いておきたいと思ったのが、吉川晃司さんの紅白歌合戦での事件だ。
吉川晃司さんもデビュー当時は作られたアイドルのような印象だったが、アイドルとは言えないようなエネルギッシュないいライブをするということが言われていた。上條淳士さんのマンガ「TO-Y(トーイ)」にも、トーイのライバルとしてそっくりな哀川陽司というキャラを登場させていたりするが、人気もあり、アイドルとミュージシャンというかロックスターのちょうど間のような存在だったと思う。
その彼は、紅白歌合戦に出演し、その舞台上で、自分のギターに火をつけたのだった。
当時は、よくわからなかったけど、「あれ?今火が出たよね?」みたいな感想しか持てなかったし、何らかの演出だと思っていたのだが、これは彼がやらかした事件であったのだ。はっきりいって、やらかし系では彼の右に出るものはいないと思う。
もし、これが現在ならSNSで大変なことになるわ、2chいや5chで祭りになるわでサーバーも落ちることだろう。
この事件以来、彼はNHKには出演していないと思う。

ある意味では、これは「ロック」なんだけど、今やっても面白くないだろう。
紅白の権威が地に落ちかけている感があるからだ。

ちょっと話がそれてしまったが、私がロックだロックじゃないとか言っていたのは、結局メタルだメタルじゃないと言っている人と同じようなことが根底にあるというふうに思える。
しかし、今現在は、個人的にはそのような基準で判断はしないし、昔の判断基準も今思えば恥ずかしく思えてくるということから、海外でメタルだメタルじゃないと言っているのは、若気の至りみたいなものかと思った。

が、実際は少し違うようだ。

オールドメタルファンというか、ずっとメタルという音楽ジャンルを聴いてきた人にもそのようなヘイターがいるようで、「お嬢ちゃんたち、こっちにくると危ないよ」ということを言いたいのかなと思ったらそうでもなく、存在自体を嫌っているような書き込みもあるようで、もっと違った観点からの考察が必要になってくるだろう。

ちょっと長くなってしまったので、続きはまた今度にする。

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