GNR×BABYMETAL

今回のこのライブ、ガンズの来日公演の追加公演になるらしい。多分、本丸と言える公演はさいたまのスーパーアリーナになると思う。
はっきり言って観客は少なかったように思う。どの会場もそうだが、使わないだろうシートは黒い幕で隠してしまうのが通常だ。今回はかなりの黒幕でシートが隠されていたのに驚いた。こんな使い方をした横浜アリーナは初めて経験したように感じる。

そこは追加公演ということなので、本当にガンズを見ようと思った人はさいたま公演のチケットをすでに購入しているはずなのだ。
それで、この動員だったというわけなのだが、これにBABYMETALのサポートアクトがなかったならば、ちょっと残念な感じになっていたかもしれないなと思った。おれもまんまとその餌に食らいついたわけだ。このような人がたくさんいると思う。
企画を考えた人の読みは正しかった。

ただ、動員とは別にライブは大変すばらしいものだったのだが。

ライブの看板

BABYMETALのサポートは的確で間違いがない感じだ。きっちりと仕上げてくる。
今回は横浜アリーナということで音に期待をしていったわけだが、センターのCブロックという、通常言われるアリーナ席の一番後ろのブロックでさえも、音がとてもよかったので思わずにやけてしまった。

BABYMETALの音はとにかくラウドで、ガンズよりも大きく聞こえたのは、やっぱりドラムの音量の違いだったと思う。
一曲目のデスからもうガツガツくる。後ろの席から見ると結構手が上がっていてびっくりした。結構メイトさん来てるな、と。ただ、自分の前にいたいい年齢の女性の方は全く立とうとしない。プライドが許さないのか?ちっとも興味がないのか?このお方は結局最後まで自分のスタンスを替えはしなかった。

そうそう、今回はこのようなちょっといい年齢の女性の方をよく見かけたのだ。
たぶん昔ロックを聴いていたのだろう、そういう感じの女性だ。そして、昼間はどこでどんなことをして仕事をしているのかわからないような音楽が好きなんだろうという風貌のおっさんもいた。全体的に年齢層は若干高めだ。チケットも安くはないし経済的な理由もあるだろう。

そういえば、白人の方も多かったように思う。
BABYMETAL!と叫んでいる人もいたし、ごく普通の男女二人連れもいた。たぶんどちらかというとガンズを見に来ている人が多かったように感じた。



これはチャンスなのだ。BABYMETALはこういう人にきっちりアピールしなければならない。
前座をやる醍醐味がここにある。



こんな後ろからでももあちゃんが大きくジャンプするのがはっきりと見える。ちょっと感動的だ。
息をつく暇もないような間隔で曲を畳み掛ける。ちょっともったいないような感じさえした。もう少し余韻を楽しみたいと思ったくらいだ。

神バンドの演奏もいつもハイクオリティーなものを見せてくれて、プロってこうだよな、っていうものを見せてくれる。体調が悪いとかいろいろ問題はあるだろうが、いざ始まるといつもと高いレベルで同じものを提供できるっていうのがやっぱりプロだということなのだ。

今回のcatch me if you can という曲のイントロでのソロ回しは圧巻だった(いつもだけど(笑))否が応にもテンションが上がる。これで感じなきゃ不感症じゃないの?って感じだ。ギターのLEDA氏が自分のソロ回しの時に、ガンズの名曲sweet child o’ mineのイントロを弾いたりしてサービス精神旺盛だ。

KARATEのシンガロングの導入部でのすーちゃんの歌うメロディが少し変わっていて、鳥肌が立った。やっぱりライブで聞く歌は最高の贅沢だ。
最後の「はーしーれ~~~~!」という歌詞のところは、バスドラの連打とともに、刺さりまくる感じ。この曲は激しい音楽特有のハードなリフと美しい繊細なコード進行が融合したいい曲だと思う。ライブではその繊細な部分から始まるのがなかなかいい。

最後はギミチョコで終了となったが、濃密な時間だったと思う。
ギミチョコでのシンガロングはなかったなぁ。
ギミチョコのサビの「チョ・コ・レイ・ト」って全部裏のリズムで前の小節に食いまくるから、後頭部に来るというかハマるんだよなぁ。
だからみんなで歌うとちょっと難しかったりするんだけど(笑)

これで少しはファンになったり興味を持ってくれた人はいるのだろうか?
オープニングアクトとしての役割は十分に果たしているが、ファンをブン盗るくらいの感じがないと面白くないだろう。
相手がガンズであったとしてもだ。

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ガンズのライブまでに少しというかかなり時間が空き、その間のSEではディープパープルやゼッペリン(ツェッペリン)などが流れていた。
はっきり言ってBABYMETALが温めた空気がちょっと冷えたころにガンズのメンバーが登場となった。
こんな待ち時間があるのは、わざと遅らせて観客のボルテージを上げるという手法でもあるが、最近の観客はこんな時間にスマホを見ている人が多く、主催者の思い通りにはいってないような印象がある。気持ちが別のところに行っちゃっているのだ。

今回は、オリジナルメンバーのベースのダフやギターのスラッシュが加入したということで注目を浴びていたツアーなのだが、これがホントに良かった。
ダフはとにかくカッコいい。ROCKERのカッコよさを体現していると言っていいと思う。みんなああいうルックスに憧れたんだよなぁ、と今更ながらに思う。

スラッシュは今が円熟期だと思えるほどよかった。一番年齢を感じさせなかった、時が経ったのを感じさせなかったのがスラッシュだ。体型は別として(笑)
もしあなたが本物のレスポールの音を聞きたいと思うなら、是非スラッシュの弾くギターの音を生で聞くことをお勧めする。
スラッシュのギターのタッチは独特なものがある。タッチというか弦に触る瞬間というか、なんかフワッとしたところがあって「あ~これだ~」とか思っているんだけど、もしかしたら気のせいかもしれない(笑)

BABYMETALの神バンドのギタリストは技巧派でかなりすごいのだが、スラッシュはロックを極めたすごさみたいなものを感じる。今回、ダブルネックのギターを使って、アコースティックぽい音も出しているのだが、それもすごくカッコよく聞こえるから不思議だ。Patienceというアコースティックな曲を今回は披露してくれたのだがうれしかったなぁ。

こうなってくるとアクセルの体型がホントに悔やまれる。それほど声が出ていないとかいう印象はなかったし。
日本ではあの沢田研二さんもそうだが体型にはいろいろなやんごとなき理由もあって難しいのだと思う。ただ痩せればいいだけなら割と簡単なのかもしれない。
歯がまぶしいくらいに綺麗になっていたのが目立ち過ぎに感じたが、体にはいろいろと気を使うようになっているのだろう。ずっとロックを続けたいなら、世間一般にロックではないということをやっていかなければならないというのは変な感じだ。

そして、またまた欲が出て、ここにイジーがいたらなぁ、なんて思ってみたりする。イジーが一番カッコいいと思っていたし好きだったなぁ。
このツアーのことを聞いたり見たりして彼はどのように思っているんだろうか?
Izzyの代わりに参加していたギタリストはなんだか見た目がRON WOODに似ていた。鼻の感じのところとか。

参加メンバーにエメラルドグリーンに髪を染めたキーボードの女性がいたが、彼女はもしかしたら初音ミクに寄せてるんじゃないかと思ったのだがどうだろう?ショッキングピンクのヘッドホンとともにそんな感じがしたが、妖精みたいな感じは全くしなかった(笑)
後、ピアノを弾く人も一人いたようだ。




Live And Let DieやHeaven’s Doorらのカバー曲もあったり、ダフがあのジョニーサンダースのyou can’t put your arms around a memoryの一節を歌ったりして、それがなんだかロックへの感謝やリスペクトみたいに感じられたりした。SEが古い曲だったこともあって、だが。
(ダフが歌ったのはattitudeって曲でジョニーサンダースの曲ではないということがわかりました。そっくりなんですが・・・恥ずかしい(照))

ステージ構成自体は、知らない曲もあったので正直中だるみもあったが、小さい山が何回か訪れるような構成で、終わってみると22:30という、今までに体験したことのないくらいの時間になっていた。武道館は21:30までに退席しなければならないし。
たぶん、終わりの時間ぎりぎりだったのだろう、退場のSEはストーンズのFar Away eyesだったのだが、途中で中断してしまった(笑)
退場はあっさりしたもんで、会場を後にするときに振り返ったら、もう人はあまり残っていなかった。



今回のライブを見て、これからの日本で行われるライブでも主流になると思われるシステムがいくらかあった。
まず、アリーナ席前方でのVIPスタンディングというエリア。前方のみスタンディングのライブハウス感覚でライブが見れて、舞台に最も近い席で値段も高いという設定になっていた。これを日本のアーティストもとりいれるのではないか。

あと、ステージ両脇に置かれた巨大なスクリーン。かなり大きく両脇に進撃の巨人みたいなのがいるような印象だ。あれなら大型のフェスにも対応できるし何しろ画質が素晴らしい。粗さは全く感じないのだ。

このスクリーンをBABYMETALは使わせてもらえないのであった・・・
でも、それでよかったのかもしれない。
大写しされたメンバーがそこに現れたら、おかしくなっちゃう人が出るかもしれないからだ(笑)

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