ヒューリックホール

ルーリードのPERFECT DAYがSEに使われていた。
SEが一段と大きくなると、のっそりと普通に下手から登場してくる2人。
あぁ、ついにこの瞬間が来た。
なんだか不思議な気分だ。

「HELLO!」というのは無しで、すぐに曲が始まる。
この感じだと思った。
スッと曲に入る感じがカッコいい。

MCは最後のほうにあるのだが、それ以外は特になく、曲をどんどんこなしていく。
ギターも曲に合わせてチョイスしていくようで、それも一つの聴きどころとなっている。
アンプはフェンダー系のものだった。
私はフェンダーのツインを使っていた、というのは、フェンダーのリバーブと歪みがかなり好きだったので、これはうれしかった。
ただ、私はお金に困って売ってしまった(泣)

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だいたいの流れを書こうと思ったが、DVD、BDが発売されるようなので、印象的だったものだけ書こうと思う。

まずは「カメレオン」だ。
かなりルーズで重いこの曲なのだが、蘭丸のリフの感じが変わっていた。
リズムのとらえ方を変えてみたのだろう。
このライブ全てに言えることなのだが、スライダーズ時代の曲は、なぜかいないはずのドラムやベースの音が聞こえてくる、というか自分で補完しながら聴いてしまっていることに気が付く。
この「カメレオン」もそうだったのだが、圧巻だったのはハリーの歌だった。
「雨ざらし」あたりから、なんだか凄みを増したというような感じを受けていたのだが、その感じがこの曲にも表れているようで、熱量としては全盛期にも負けないものがあった。

ホントこのライブはハリーの歌がすごく良かったのだ。
これは円盤で確認してほしい。
よく歌詞が聞き取れて存在感のある強い声をしている。
あの痩せ細った体でこんな力強い声が出るなんて、なんて言ったら怒られるだろうか?

「かえりみちのBLUE」は終始二人で歌う感じの曲なのだが、このなんというか空気感というか雰囲気は、スライダーズにしかありえないもので、否応なしに引き込まれてしまった。
曲が終わって再確認、これギター2本でやってるんだよなぁ、ってこと。没入感がおかしいくらい。
それにハリーのソロパート。
ボーカリストのギターソロって割と好きなのだが、このギターソロもすごくいい。「のら犬にさえなれない」のGソロとかも。
そういえば「のら犬」はやってほしかった曲の一つだったんだけど。

今回、ハリーがソロでやっているときよりも多めにソロパートを弾いていたのが印象的だった。

あと、「Yooo!」がジャングルビートを元にしたアレンジになっていたし、「Special Woman」は蘭丸のギターが60年代してて面白かった。アイズレーブラザーズのツイスト&シャウトみたいな感じだと言ったらお分かり頂けるだろうか。確かにそういうふうに聞こえたのだ。
ギター二本だけというライブなので、スライダーズの魅力だったその核の部分を見れたり聴けたりしている状態に興奮しながらあっという間に時間は過ぎて行った。



今現在はビルボードでのライブも終わったところだが、BDやCDも発売してなんと、今世紀最大のサプライズでもあるんだけれど、サイン&握手会をやったというから驚きだ。
以前の彼らからしてみれば、そんなカッタルイことなんて絶対やらなかったし、ファンもそれを望んでいたかもわからないくらいのものだ。

彼らにしてみれば、今回のツアーが大成功に終わったので周りへの感謝を込めて、というところなのだろうか。
私としては、握手したり面と向かって話すことでなぜか魔法が解けてしまうような、ある物語が完結してしまうような、夢の跡のような気持になってしまうのが正直怖いなと感じた。

ただ、「最高にいい音でした」とは直接伝えたいとも思うのだった。

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