新津春子さんと羽田空港

新津春子さんをご存知でしょうか?羽田空港の清掃員のリーダーで彼女が率いた清掃グループが羽田空港を世界一美しい空港にしてしまったというのです。その仕事ぶりが最近になってメディアに取り上げられています。著書「掃除はついでにやりなさい!」がかなり売れているそうです。

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新津春子さんの私が思う仕事ぶり

まず、世界一美しい空港に選ばれたということですから、その清掃スタッフ全員の努力の成果だと思いますし、全員で喜びを分かち合い、モチベーションも高く掃除をしていることだと思います。羽田空港と言えばかなり大きな施設ですので、各場所にグループでわかれて日常の掃除を行っていることだと思います。すべての場所に目を届かせるのは大変なことなので各グループの班長も優秀でないとなかなかうまくいかないでしょう。

その上に立つ新津さんは、的確な指示をして、作業員のモチベーションを維持しながら業務をこなしていくというのは並大抵なことではありません。ハウスクリーニング屋などは少人数ですし、または一人の場合もありますので自分以外の人のモチベーションを上げるということまであまり気にかけていませんし、そういうシチュエーションにはならないことがほとんどです。掃除の技術よりもリーダーシップをとる能力のほうが求められるような環境ですね。

しかし、新津さんは掃除の技術とリーダーシップの両方とも持っていらっしゃっていて、掃除の技術を清掃員にフィードバックしながら業務を遂行しています。そしてハウスクリーニング屋が持つ高い清掃技術も持っていてそれを通常の業務で使っていることもすごいなと思いました。
ルーティンの掃除をこなしながら、ちょっと時間に余裕があったら細かい部分まで掃除なさっているのでしょう。

新津春子さんに訪れた最大の転機

彼女は先日金スマというテレビ番組に出ていらっしゃったのですが、彼女の今までの人生を紹介しているところで彼女の転機になったある出来事がなかなか心に響いたのでここに書いてみたいと思います。

彼女は高校生くらいからアルバイトで清掃の仕事を始めたそうです。中国から帰国してきたということもあってコミュニケーションがうまく取れずいじめられることも多くあったと。その分を清掃を一生懸命やることで埋めてきたんでしょうか、技術は優れていたようです。掃除には速さや効率を求めるあまり、トイレ掃除をやっている最中に用を足しに人が入ってくると、「早くいなくならないかな、そうすれば早く掃除が終わるのに」なんて思っていたそうです。
そんなときに、とあるビルクリーニングの検定試験が行われたそうです。自信満々で受験した彼女は2位という結果に納得がいきません。それをいつもお世話になっていたある人に、「なぜ私は2位なのか、私に足りないものはなんなのか」ということを相談したところ、「それはやさしさだよ」と言われたそうです。

最初はよく理解できなかったようですが、そのうちに掃除は物をきれいにするためだけにやっているんじゃない、綺麗に気持ちよく使ってもらうために掃除するんだ、ということに気付かれてからトイレ掃除のときでも笑顔で掃除するように心がけたそうなんです。そうすると周りの反応も変わってきたそうなんです。
以前はトイレ掃除をしていると「えぇ?掃除中かよ」と嫌な顔をされていたのですが、「ごくろうさま」と労いの言葉をかけてくれるようになったというんです。それから彼女は飛躍的に成長していったように思います。

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この転機によって彼女は変われました。師匠とも呼べるお世話になっていた方の存在は大きかったようです。その方にクリーニングの技術も教わっていたんだとか。やっぱり人生は出会いですね。人と出会うことが人生の醍醐味なんじゃないかと思います。
私も物に対して仕事をしているのですが、それは実はそれを使う人に対して仕事をしているということを忘れてはいけないと思いました。私のハウスクリーニングはもちろん次にその部屋を使う人が気持ちよく過ごせるようにという思いでクリーニングしています。
これは間違いないですね。

まとめ

羽田空港に行く用事があったら、ちょっと早めに行っていろいろなところをチェックしてみたいと思います。嫌味な奴みたいで気が引けますが(笑)
掃除をしている人をみかけたら、「同業者です。お疲れ様です。」と労いの言葉をかけてみたいなと思いました。