賃貸

とあるマンションの網戸張替えをすべて請け負ったことがあります。
その時に各家庭にお邪魔して網戸を外して作業するのですが、それはまぁいろいろな家庭があるわけですよね。家の中をまじまじと見るわけではありませんが、やっぱり気になるのは掃除屋だけに汚れと部屋の傷み方だったりするわけなんですけれども。

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マンションのオーナーにとっては、ずっと住んでいてくれている古くからの借主さんはとてもいいお客さんなのだろうということは容易に想像がつきます。少し前までは、ある程度住人に入れ替わりがあるほうが礼金などの収入があるため好まれるというようなことがありました。学生限定のマンションなんかそうだと思います。必ず4年くらいで各部屋入れ替わっていくわけですから。

しかし、最近では空室が珍しくなくなってきました。オーナーさんとしては一部屋空室があるとそれだけで収入が大きく変わってきます。ですので、新しい住人が決まりにくい昨今、古くからの住人さんは重宝されるべきだと思うんです。今よりももっともっとです。

ですが、全く重宝されているようには見えないんですよね。
単身のお年寄りの方が多かったのですが、中には30年もの間、ずっとこの部屋に住んでいるというおばあちゃんがいらっしゃいました。やっぱり30年も住めば、どんな人がどんな生活をしていたとしても部屋はいろいろと傷んできます。経年劣化というやつですね。善管義務違反でも何でもないです。
床もグニャッと柔らかくなっているところもありましたし、昔の公団タイプですのでドアの塗装ももうずいぶんと剥がれてきているようでした。

こういうのどうにかならないもんですかね?

新しくこのマンションに入ってくる人は、入居者にとって魅力的な部屋に見えるようにいろいろとリフォームしたり、綺麗に掃除したりした部屋に入ってくるわけです。一方、オーナー様にとって今までずっと家賃を払い続けてくれた住人さんは、そのおばあちゃんの例ならば30年前の内装だということなんですよね。
この差はなんなのでしょうね?ちょっと不公平な感じがします。これは仕方のないことなのかもしれませんが。


ここの物件ではないですが、私がリフォーム後の掃除をして最後に床にワックスを掛けていると、開けた玄関のほうから、
「まぁ、綺麗ね~」
という声が聞こえたので覗いてみたら、お母さんと手を引かれた子供がこちらをずっと見ていました。
「今回全部リフォームしたみたいですね~」
と私は答えましたが、しばしこちらを見ているようでした。
たぶん同じくらいの家賃を払うのに、この差はなんだろう?と思われたんじゃないでしょうか?
う~ん、やっぱり何かおかしいような気がしますね。



新しくリフォームした部屋に移ってもいいよ、なんていう太っ腹なオーナーさんはいらっしゃらないかもしれませんが、年数でいえば10年位住んでこられた借主さんには何かしらリフォームのプレゼントやハウスクリーニングのプレゼントがある、といったサービスも考えてもいいのではないでしょうか?
それで今いる住人の方が長く住んでくれるような選択をしてくれたなら、それはいいことなんじゃないかと。人口はだんだんと減ってきているわけですし、おなじみの住人さんだとオーナーさんも安心だと思うんですよね。

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それと、部屋が傷んだままずっと直さないでおくと、いろいろと傷みが広がってくるんですよね。例えば、トイレの床が傷むと便器の据わりが悪くなります。そうすると配管に隙間ができたりしてそこから水が漏れたりすることもあると思うんです。そうしてどんどん悪い部分がほかの部屋にも広がっていくこともあります。配管で何か詰まったりしたら、つながっている部屋(縦一列)が全部おかしくなりますし。
そういうわけで、途中でメンテナンスを入れたり、住人に不具合はないか聞いたりするのは必要なことなんじゃないかと。言ったら弁償させられると思ってなかなか言い出せない住人さんもいらっしゃると思うんです。



これはもう不動産業界で考えてもいい事案だと思います。
これからはアフターサービスも大事になってくるんじゃないでしょうか?
そうすればハウスクリーニング業界ももう少し潤うかなと(笑)

まぁ、これは冗談ですが、何かしら腑に落ちない感じがずっとしていた一日でした。