苔生す階段

世の中にはいろんな見方があるわけでして。
インターネット上でもあのアイドルがかわいいとかそうでないとかありえないとかいろいろな激論が交わされていたり、あれがカッコいいだのカッコ悪いだのとかいろいろな価値観がぶつかっているわけです。私も最近ホームセンターで真っ赤な作業靴を気に入って買ってしまいそれを使っているのですが、なんで赤なの?いまいち不評なんですね。赤い靴いいじゃないですかね?いけないのでしょうか?まさか似合っていないとか?え?そうなの?でも本人が気に入って履いているならいいんじゃないの?
まぁ、これが主観というものなんでしょうけど。

では本題に入りましょう。
例えば、壁一面に蔦の絡まった洋風の二階建てくらいの家があるとします。みどりの葉っぱが青々とした感じで、それが何か昔子供の頃に本で読んだ物語の中に出てくるような、日本人の洋風なものへの憧れを表しているような風情であるならば、人はそれを美しいと思うかもしれません。しかし、住む人が考えるには虫が多く窓も開かなくなりがちなのでもうすべて処分してほしいと思っているかもしれません。美の対象でも何でもないわけです。そんな内情を知っている人にも美の対象であるわけでもなく、ただ単に住む人は大変だなと思うだけなのかもしれません。

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建物はだんだん古くなっていくのは当たり前で、それをなだらかな下降曲線にするためにメンテナンスや掃除をしたりするわけなんですが、古くなって味が出てくるものも中にはあると思うんです。ただやみくもに掃除して綺麗にするのが決してよくない場面も必ず出てくると思います。

この判断はその建物の管理者や使用者に委ねられているものですから、客観的な状況判断もあるにせよ結局主観的な判断で綺麗にするか否かということが決められることなのでしょう。私らも自分の意見は言いますが、その判断に従って仕事をすることで報酬を得てるものですから、自分の意見をゴリ押しすることはないですがどうしても納得がいかないこともあります。

例えば下の写真を見ていただきたい。

インターロッキング

単なるインターロッキングなのですが、それほど日当たりのいい場所にあるわけではなくて、ちょっと日陰で湿気があるのか苔が少し生えてきている様子ですね。奥のほうに鉄板の回転台のようなものがありますが、塗装も弱くなっていて少し剥がれています。

これを見てこの状態は好ましい状態であるかそうでないか、掃除をして綺麗な状態にしなければならないと思うかこのままの状態でいいと思うか、あなたならどのように考えることでしょうか?

奥の塗装がはがれている部分は、このままだとサビが進行して鉄板がもろくなってしまうので、きちんとサビ止め処理をして塗装をするべきだと思います。これは主観だの客観だのに関係なくそうすべき事柄だと考えられます。
しかし、このインターロッキングの部分はどうでしょうか?
苔がインターロッキングの表面に小さな穴に生えてきていて、少し全体的に緑っぽくなってきています。多分その穴に水分が残っていてなかなか乾かないために苔が生えたのでしょう。でも、私の考えではその苔の感じがなかなかいいと思うんですね。これはその人の感じ方によって千差万別なのですけれど。

ただちに高圧洗浄や洗剤を使って掃除するような感じでもないんじゃないでしょうか?水を流しながらデッキブラシで一通り擦るくらいの感じでメンテナンスしていけばいいと思います。なかなかいい味が出てきているなと思います。多分築10年くらいの建物だと思いますけれど。

コンクリートの床などに苔ができてきているものは掃除して綺麗にしたほうがいいですけどね。
インターロッキングを家庭用のケルヒャーなどの高圧洗浄機で洗う場合に注意しなければならないことは、砂が中からたくさん出てくるような使い方をしないということです。インターロッキングは砂の上に高さ10センチくらいのブロックを置いているだけなので、高圧で洗うとブロックとブロックの間から砂が流出してくる場合があります。そうするとブロックが凸凹になったり、目地が均等でなくなったりの不具合が出てきて、専門の業者でなくては直せなくなりますので注意が必要です。

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