電車内に業務用洗剤をこぼす

兵庫県で、電車内に業務用洗剤を持ち込んだ飲食店店員が、結果として女子高生のお尻にアルカリ洗剤によるやけどを負わすことになったという事件が起こった。自分の鞄から洗剤が漏れているのに気付かず座席に座っていたところ、座席に洗剤が染み込み、その飲食店店員はそのまま電車を降りたが、そこに座った女子高生がお尻にやけどを負ったらしい。

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この手の事件は以前、東京の地下鉄で業務用のアルカリ洗剤をアルミの密封できるジュース缶に入れて持ち帰ろうとしたところ電車内で爆発した事件があったと思うし、ここでもそのことについて書いてみたと思う。

東京メトロ丸ノ内線内で起こったアルミ缶破裂事故

今回はペットボトルで持ち帰ろうとしたようだ。最近のペットボトルはそれほど丈夫にできていないものが多いのもあり、アルカリ度の高い業務用の洗剤ということから、ペットボトルは多分溶けていたんじゃないかと思う。これ、ペットボトルではなくてアルミ缶だったらまた爆発する騒ぎになっていただろう。

一般に洗剤はアルカリ度が高くなると、強い洗剤だと言われる。よく汚れが落ちる代わりに反応が激しく取り扱いに注意が必要だ。しぶきが目に入ったりするとかなり痛い。そんな時は水で時間をかけて洗い流すのだけれど。なんでアルカリ度が高いと洗剤はよく汚れが落ちるようになるかというと、浸透力が強くなるということがあげられる。木にアルカリ度の高い洗剤を付けるとその部分が色が濃くなり洗剤がどんどん浸透している様子がわかる。これは乾いて元に戻るときもあるがそうでないときもある。木によって、べニアの製法によっていろいろ違いが出るのかもしれないけど。
木に限らないことだけど、浸透力が強いためその素材を壊してしまうことがよくある。

一方酸は、浸透力はないが、それでもやけどをすることがある。ここで言う「酸」とはおもに塩酸のことを指す。洋服の袖を酸で濡らしたのに気付かずそのままにしていると皮膚に穴が開くような感じのやけどをすることがある。
煙でちょっとむせるような酸を新築時のタイル洗いの時に使う。新築時には外装タイルには目地材やモルタルなどが付着しており、塩酸でそれらをブラシなどで洗い、水で流すと綺麗になる。

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お掃除業界に関係している人は、普段アルカリ洗剤や酸などに普通の人よりも慣れているかもしれないが、その慣れが不用意な事故を起こすことがあるのを肝に銘じておかなければならないだろう。
よく洗剤を少し分けてくれなどと頼まれるが、私は丁重にお断りしている。どのような使われ方、保管のされ方をされるかわからないからだ。

ここではその女子高生の傷が綺麗に治るのを祈るしかない。